
次に、海水浴場の移動時における安全性について図5−3−4、図5−3−5に示す。駐車場から水辺を認識できる場所までの移動時における安全性は、16人(80%)が安全と高く評価している。しかし、前浜(砂浜)での安全性においては、介助がいるにもかかわらず8人(40%)が危険であったと解答している。このように後浜から前浜へのアクセスにおける移動のし易さおよび安全性については高い評価が得られたが、前浜での移動のし易さおよび安全性に関しては低い評価であった。このことから移動障害者から見た前浜へのアクセシビリティーにはバリアがあり、このバリアを取り除くための整備およびシステムを構築していかなければならないであろう。
一方、駐車場から砂浜までの移動における移動障害者の阻害感情を図5−3−6〜図5−3−12に示す。バスの乗降りでは「疲れる」「あせる」「怖い」「面倒」の阻害感情が表れ、全体の約半数を占めている。ここでは特に、「怖い」の阻害感情が強く表れている。同様に、公園内のスロープでも「怖い」が比較的他の阻害感情より高い割合を示していることがわかる。また、駐車場に隣接するトイレの利用における阻害感情では、「怖い」「危険」が共に24%(5件)と高く、全体では67%の阻害感情が表れている。さらに、砂浜の上での行動においても半数以上の阻害感情が表れ、「疲れる」が21%(5件)と比較的高い値を示している。
さらに、自然条件に対する阻害感情では、直射日光、潮風等にはあまり影響を受けないことがわかる。しかし、雨には6割以上の阻害感情が表れており、移動・行動に制約を持つ移動障害者にとって特に雨に対する対策は必要である。
水辺・海辺を訪れたときに感じる利便施設の重要性と片瀬西浜海水浴場に整備されている利便施設の評価を図5−3−13、図5−3−14に示す。特に、水辺・海辺を訪れたときにはトイレ、駐車場、水飲み場の重要度が非常に高く、休憩所、ベンチ、遊歩道、緑地、案内地図等は「やや重要」と評価されている、これに対し、片瀬西浜海水浴場の利便施設に対する満足度では、トイレ、案内地図に対する比較的強い不満度が表れた。
前ページ 目次へ 次ページ
|

|